calbee、そしてRYOZAN PARK視察

先週末のことになりますが、東京駅近くのcalbee本社でダイバーシティ推進の取り組みについて伺い、様々な女性活躍支援、また子育て支援の社内施策についてご説明いただき、そのあとは南大塚のRYOZAN PARKに地元豊島の細川区議のアテンドで都議団も視察に伺わせていただきました。


女性活躍、という言葉が虚ろに響いているように感じることもある中で、このお伺いした二つの場所で実現されている多様な働き方と「シェアリング」の考え方は、これから東京都で子育て支援や女性活躍(更に言えば男性の育児休業取得推進や男性の育児参加推進も)を更にスピードアップして進めていくにあたり非常に参考にするべき、そして行政はこういった試みや事業に対して是非支援を進めて行っていただきたいと強く感じた次第でございます。


シェアリングとは、字のごとく共有する、の意味です。いくつかの先進的な施設や企業を見させていただいて気づくのは、施設内や会社内で「育児をシェアリング」という考え方が根本に流れていることです。例えば、育児を現在になっていない独身社員さんが、スキルや出身を生かして楽器や英会話のクラスを保育スペースで展開してみたり。一つのコミュニティを形成することに成功しているところに、多くのことを学ばされます。


RYOZAN PARKは、これまで子育てビレッジとして数年間は非常にやりくりも苦しくされていたそうです。運営することで精一杯。働くことを目指すお母さんや、育休中のお母さんもお子さんを連れてここに来て、午前中は2時間子供を見ていてもらい、昼からは子供を一緒にいながら仕事もできるスペース。

それが、だんだんとお母さん達からの要望もあり、保育の時間を長くするなどの改善を経て、今では創業支援施設として東京都の事業認定を受け、創業を目指す人たちの出会いや新たな人脈作りの場としても展開を始めている。

子供を預けるだけでなく、預けながら仕事をする、または育休中のお母さんの本来の仕事とは全く違う職種の仕事の学びの場としても機能していく、「保育」と「創業」「学び」「コミュニティ形成」を掛け合わせた、新たな形の施設運営には大きな可能性を感じました。

まだ都内で数カ所の認定ですが、多様な働き方を可能にする、新たな保育の形が増えていくことはなかなか認可園に入ることのできない親御さんや、フリーランスや自営業の親御さん、産後に新たなキャリア形成を考えておられる方にも有益です。


東京都の保育政策はかつてないスピードで進んでおり、1月の発表では30年度予算に所得制限なしのベビーシッター利用料補助が入るということになっています。認可園に申し込んだけれども入れなかったお子さんのシッター料金を月額最大28万円までの9割補助、ということです。私が子供を産んで直後も、預ける先が見つからず止むを得ずシッターさんに来ていただいて、想像以上にかかる保育料に頭を悩ませていた時期がありました。今、子供を預けられずそれでも仕事を続けておられる方達には本当にありがたい施策であるはずです。


一方で、シッター利用希望者はまだ日本でそこまで一般的ではないのも事実です。共働き世帯で、自宅の中にシッターの方に入っていただくことには抵抗がある方が多いのも、私も感覚として理解もできる部分があります。また、子供に対峙する保育者は複数いてほしいと願う親御さんも多いです。


保育の形に、「これが正解」「ここが最適」はなかなか一概に言えることではないからこそ、子供を預けたい親御さん達が安心して納得して預けることのできるいくつもの選択肢を用意していくことが必要であると考えます。特に多摩の方では、人口減少や少子高齢化が顕著でもありますので、大型認可園の新設よりもシッター共有サービスや小規模保育所の開設支援を訴えていきたいと考えています。


新年度の予算について、続々と手元に資料が届いています。新規事業もありますし、規模縮小している事業もあるようです。精査と議論を続けて、皆様にも報告していきたいと思います。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

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