都立七生特別支援学校視察、そしていのちのミュージアムへ

昨日、都議会の第一回定例会の文教委員会の議案にもなっている都立七生特別支援学校の改修工事について、現地視察に伺って来ました。日野市の菅原都議も、お忙しい中一緒に行ってくれました。


七生特別支援学校は地元多摩市に隣接する、日野市でもかなり多摩市よりに位置しています。近くの道はよく通ることもあり、外からは生徒さんたちが農園で野菜を栽培している様子などがよく見えていたのですが、中を視察させていただいたのは初めてのことでした。


老朽化と、また微増し続けている生徒数を今後も受け入れられるよう増改築を行う大規模な改修工事ということで、今現在は学校に隣接する福祉保健局所管の土地に仮設の校舎を建てて、そちらで授業が行われています。仮設校舎とは言えないほど、鉄骨でしっかりとした作りで、隣の本校舎が解体されている工事の音もほとんど聞こえてこないほどでした。


この仮設校舎は床はバリアフリーで各所にユニバーサルデザインを取り入れた工夫が取られています。手すりも小さな児童生徒と大きな生徒さんの両方に対応した二重式、ドアは吊り下げ式で足元に溝はなく、床には色分けでエリアが見てわかるようになっており、各扉にどういった部屋なのかの絵が表示されています。この校舎に移られただけでも、生徒さんたち含めとても喜ばれたということですが、立派ではありますが仮設ですので、本校舎がたつ平成32年秋には取り壊されてしまう予定です。少しもったいない気も致します。


仮設になくて本校舎にできるものとして、地域の住民に開かれた学校とするために設けられるという喫茶室、カフェテリアのようなものがあるそうです。就業の訓練ができるような、紙工室や流通室、調理室は今の仮設にもありました。本校舎の教室は今後生徒さんの数の増加や変動があった際にも柔軟に対応できるように、壁が可動式のパーテーションとなっている部分もあるようです。かなり先までを見据えた建築の計画であることがわかります。

強いて言えば、地域の方がいらっしゃることを想定するということは、高齢の方や障害のある方が自家用車を使う場合に必要となる駐車スペースが設けられるともっとよかったのかもしれないですが、この土地は下に水道の管渠が通っていることもありかなり設計スペースに限りがあるとのこと。バスの運用を工夫していただくことで対応ができれば良いですが、その通学バスを駐車するスペースを取るのでも精一杯であったようです。

手に持っているのは、こちらの生徒さんが作られた商品です。作品というより、しっかりと値段をつけて販売されているものたちということで、本当に立派な出来でした。そして、いくつもの授業も見せていただきました。校長先生はみなさんに愛されているようで、あちこちで先生!と手を振る児童生徒さんがいらっしゃいました。


この日は、ここから歩いて20分ほどの近隣にある七生緑小学校の三年生の児童生徒さんたちとの交流授業があり、大きなスペースを使って一緒にゲームをしている様子を見せていただきました。今、校舎の建て替えのために使えなくなっている体育館を使うために、週に一度緑小学校の方に通っているということもあり、生徒さんたち同士もとても仲良くなって来ているということでした。



ポルカの時は大盛り上がり。手を繋いで、ぶつかり合うようにして、笑っている児童生徒さんたち、みなさんとても楽しそうでした。

一緒に過ごす、一緒にいる、ということで、相手にあって自分にないもの、また相手になくて自分にあるもの、が見えてくることもあると思います。また、自分が相手にしてあげられること、にも気づくこともあるかと思います。一緒に成長していく、歳を重ねていく、その試みを地域の中で続けている七生の児童生徒さんたちから、自分も多く学ばされることがありました。そして、生徒さんの隣に立ってしっかりと支えておられる先生方の熱意には、いつも頭が下がります。


非常に丁寧に、様々なご説明をいただきました大和田校長、そして前島室長、どうもありがとうございました。


この日は近くにある、廃校を活用したいのちのミュージアムという展示館にも、菅原都議にご案内いただきました。



交通事故や不測の事態により、その尊い命を亡くされた方々の物語や思いを紹介してあります。その方々の事故等を基にして、条例改正や法制度改革があったことについての書籍が置いてあったりと、決してあってはならない事故ではありますが、起きてしまった事故を風化させるだけでなく、ご家族・ご遺族のご了承を得られた際にこのようにして記憶や気づきを繋げていく試みというのは、教育の場に限らず、必要なものであるように感じられます。


音楽の仕事の中で、SDDという飲酒運転撲滅のイベントに出演させていただいたことが何度かありました。そのイベントを行われていた大阪のラジオ局の関係者の方達は、日本全国で、飲酒運転がゼロになるまで、活動を続けます、とおっしゃっていたのが印象的です。イベントの終わりにラジオ局の方が涙をにじませながら、まだ続けなければいけない、と話していたことを今でも覚えています。

事故をなくすための努力は、決してなくしてはならないものだと思います。

ふとした気の緩み、ちょっとなら大丈夫、そんな考えが、誰かの一生や自らの一生を潰してしまうこともあるということを、改めて私たち一人一人がしっかりと再認識していくことが必要です。

この詩を書かれた女性は、息子さんが夢を持って大学浪人を経て合格し、まだ大学に一日も通うこともない四月の頭に事故にあって急逝され、以来この活動を続けておられます。

息子さんが見た夢はなんだったのか、息子さんが学びたいものはどういうものだったのか、それを知るために、最近は息子さんが合格した早稲田大学文学部に自らも受験し、合格し、入学して勉強し、見事卒業されたということです。

子を持つ母として、子どもの見ている世界を知りたいという思い、非常に共感できます。そして本当にその想いや愛に沿って行動を続けておられる姿に脱帽します。


日野市に常設展示がありますが、いのちのミュージアムは全国各地に出張しております!どうぞ、お近くに来ていることがある時は、ぜひ足を運んで見て下さい。