動物愛護センター多摩支所視察、動物愛護推進員意見交換会に伺いました
先週のことになりますが、東京都動物愛護センターの多摩支所に視察に伺いました。
動物愛護推進員の意見交換会も行われる場所であり、特に多摩市部からの推進員の方のご参加が多かった印象ですが、大変貴重な様々なご意見や課題を拝聴することができました。
動物愛護センターでは殺処分ゼロに向けて、地域のボランティアの方々やセンターの獣医師の皆さんの働きもあり、限りなく数はゼロに近づいている状況です。
一方で、センターで引き取られない「地域猫」(負傷をしていない、地域で暮らしている飼い主のいない猫)の数は推定で現在も約11万頭いると言う推計値があります。
この飼い主のいない猫対策の区市町村によるばらつきについては推進員の方からも質問がありました。
さらに、飼い主が高齢化している問題や、多頭崩壊が起きていると言う現状についても他の推進員の方から指摘があり、ただ単純に、例えばセンターに引き取りをされた動物の殺処分ゼロが達成されたとしても、その背後にはまだまだ未解決の様々な課題があると言うことがわかります。
また、動物愛護センター所長からの説明と推進員の方の質問の中で、TNRのあり方についても言及がありました。
TNRとは、
trap〜捕獲
neuter〜避妊手術
return(もしくはrelease)〜元の場所に移す(解放)
の頭文字をとったもので、不要な繁殖を避けるために環境省が推奨している地域猫活動の一環でもあります。
この中でreturn(release)は、獣医師として動物との共生を模索してきた動物愛護センター所長としては元の場所に戻すことよりも、飼い主を見つけて譲渡していくことを推奨したいと話されていました。人に慣れていない猫は時間がかかると思いますが、現在でている11万頭と言う数字も推計であり実際にはかなりの幅があると言う現状で、地域のボランティアの努力によってTNRを勧めていただいている状況です。地域ボランティアの方々に頼り続けるわけにもいかず、猫についてはできる限り飼育、しかも屋内飼育へと転換していけることを目指していると言うお話です。東京都ではとはいえ、動物との共生に関する普及啓発もまだまだ十分とは言えません。効果的な啓発方法についても、まだ議論と検討の余地があると考えています。
国の環境省では動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会が開かれて来ています。この春には、多頭飼育に関する検討会も新たに設置されると言うことで、そちらの検討内容も注視して参りたいと思います。
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