公営企業決算委員会が続きます
公営企業決算委員会が続いています。23日月曜は水道局関連の質疑、25日は下水道局関連の質疑が行われました。
下水道局の質疑は自分がトップバッターで、主にエネルギー・地球温暖化対策について、流域下水道の震災対策について、東京都下水道サービス株式会社の障害者雇用達成について、東京下水道PRについて、東京都下水道局の資産の有効活用についての計17問を質問させて頂きました。
この質問を作り、より力強く意義ある御答弁をいただけるようにと局の担当の職員の方達とやりとりをすること10日間程度、「ここまで聞いていいのだろうか」「こんなことを意見として申し述べてもいいものであろうか」等の様々な思いが去来しました。
これはあくまでも決算委員会でありますので、28年度事業の予算と決算と事業概要や目標や効果を精査して、事業の経営は着実に健全に行われているかどうかや、今後の施設の維持管理コストや耐用年数なども見通してきちんと積立が行われているかどうか、意義ある事業だとしても採算が取れているものであるのか、費用対効果はどうか、など、チェックをするべき点はいくつも出てきますが、「これはおいくらするものなんでしょうか」という点を大変お手間をかけさせてはしまいますが局の方には幾度も聞いておりました。
例えば自分が伺ったものの中に、省エネルギーや温室効果ガス削減効果の高い下水道の汚泥の焼却システムの第二世代型、第三世代型というものがあります。従来のものを第一世代型として、ざっくり申しますと汚泥焼却に伴う一酸化二窒素と呼ばれるガスの発生を抑制して、また汚泥の水分量を大幅に削減して焼却時の燃料使用量を削減できる省エネタイプが第二世代型、そしてそこに焼却廃熱を利用した発電設備を追加することで使用電力を自ら賄う自立型電力タイプが第三世代型焼却システムです。
この第三世代型に至っては、東京都下水道局が2015年に開発したシステムで、現状国内でも一箇所、新河岸水再生センターにおいて平成32年度に日本で最初に稼働を始める予定だということです。
このような次世代焼却システムは建設費などの初期費用が大きくかかりますが、燃料費などのランニングコストや維持管理コストは削減することが見込まれます。さらに、維持管理コストが旧型のものより低くなるとはいえ、耐用年数がいかほどか、また大規模修繕にかかる予算の見込みや廃炉にかかるコストまでのライフサイクルコストを精査して建設計画を進めていく必要があります。
豊洲の例もありますが、その施設設備から排出されるウランなどの廃棄物の処理の問題も出てくるはずですので、素晴らしい最先端設備であることは間違いないですが事業としての建設と運用は慎重に行なって頂くためにも決算委員会での質疑の持つ意味は大きいと考えています。
ただ、今回の質疑を通して自分でも再認識しておりますのが、東京都の下水道局の技術の高さと東京都の水質の良さです。同会派の田ノ上さんの質疑では隅田川の水質が現在1リットルあたりBOD(水の汚れを測る指標の1つ)3mg以下に収まっているということも言及がありました。最近のように非常に強い雨やゲリラ豪雨で雨水が汚水と合流してしまう合流式下水道などには分流化などの改善が必要になりそうですし、2020大会のトライアストン大会会場の水質が大腸菌の数などでオリパラの水質判定基準を超えてしまっているという対策が必要なところもあることは事実ですが、それでも先進諸国に比較してみても東京都の下水道事業は非常に健全で優れていると言えそうです。多摩エリアの流域下水道が敷設され始めた昭和43年以降、それまで工業廃水や生活排水で水質汚濁を起こしていた多摩川の水はアユ168万尾が遡上するほど生き返りました。排水をそのまま河川に流さず、水再生センターで浄化し戻しているからです。多摩川の水の5、6割はセンターから戻された水です。上流や源流の方に行かずとも、多摩川では小学生や中学生でも川釣りを楽しめます。
水道局の質疑の日にも感じたことですが、日本人は本当に水に親しみ、水を大切に考え、水とよく関わります。ライフラインでもあり、生命や財産にもつながる水を様々な方策で守って支えて来られた水道局・下水道局の方々のご努力には頭が下がります。
引き続き掘り下げたい部分もありますが、一旦切り替えて、今日は明日行います都市整備局の質疑の準備の仕上げを行っています。しかしはからずも来週あります文教委員会の事務事業質疑の打ち合わせが始まり、教育庁の方達の熱弁をかわるがわるお聞かせいただいていた結果、都市整備局の方をお待たせしてしまい、申し訳ない気持ちになりました。
決算委員会は都民ファーストの会の中でも全員がメンバーとなっているわけではないため、それぞれの事業や決算に関係する地元議員や政調会とも随時会議しながら質問作りを進めています。
よき質疑と熱い答弁につなげていくため、自分も精一杯努力して参ります。
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