教育庁事務事業質疑に立ちました
公営企業決算委員会と並行して、文教委員会が開かれています。
文教委員会の中でも教育庁関連事業の質疑が本日行われました。私が街頭演説をしながらも訴えて来たこと、政治家になる前から感じて来たこと、また政治活動を始めて様々な声を伺うようになってから新たに抱いた問題意識も加えて、合計で16問の質疑になりました。
主に質疑した内容は
◯小学校における英語教科化の推進について、英語教育推進リーダーの役割や配置状況について
◯英語専科のモデル事業の専科教員数と、現在の配置校状況
◯小学校3、4学年の外国語活動の導入に向け作成されている教員用指導資料について
◯英語を教えられる人材確保に向けた取り組み
◯産休育休中の教員に対する研修の動画配信について(うち三問)
◯いじめ防止対策について、開発されたアプリについて
◯いじめ総合対策第二次に基づいた学校で行われている取り組みについて
◯いじめ防止に向けた生徒の主体的な取り組みの強化について
◯部活動中の熱中症事故に伴う体罰防止の取り組みについて(うち三問)
◯放課後子ども教室について、教室の役割と取り組みについて(うち二問)
◯学童クラブと放課後子ども教室の一体型設置推進の支援策について
となっています。
英語は平成32年度からの小学校における教科化に伴い現在英語教育推進リーダーを配置し東京都では教員の指導力及び児童の英語力の向上を図っているところですが、平成28年全国連合小学校長会が実施した英語の指導についての調査結果を見ると、英語の指導は国語や社会のように担任だけで指導を行うよりも、標準法を改正し、専科教員を配置し指導に当たることが望ましいと考える校長が72.9%と大半を占めていることがわかります。その教科が指導にあたって特殊な技能が必要とされると考えられる教科である場合、専科教員=専門にその教科のみを教える教員、が配置されるべきであるという考えは以前から公立小学校でも普及されていて、例えば音楽や図工のクラスは平成28年度に専科教員の配置はそれぞれ87%以上達成されています。ただ、専科教員を配置するにも、学級数が一定以上の大規模校や高学年などのより優先順位の高いところから配置を行なっていくことになります。学級数が少ない学校に専科教員を配置すると、その教員の受け持つ一週間の指導学級数が一般的な基準時間より少ないということになり、せっかく配置した専科の教員に「空き時間」を作ってしまうということになるからです。
この専科教員を、英語の教科に対しても多く配置を目指していくことが求められますが、その専科教員の育成や質の確保にも時間がかかります。今実際に働いていらっしゃる教員の方達に新たに通信制の大学に通ってもらい中学の英語免許状を取得してもらおうという支援事業もありますが、実際に働きながらの資格勉強はなかなかハードルも高いという現実があります。
ここで、例えば23区の方でよく見られるのが担任の先生とALT人材を二人体制でクラス運営を図っていただく取り組みですが、このALT人材については日本国籍や教員免許が要件となっておらず、ネイティブスピーカーを英語の実践的な指導力として有効に活用しつつ、指導や採点にあたっては英語の指導には専門ではないとしても教員免許を有した担任の教員が行うというもので、ぜひこのような取り組みを増やしていただきたいところなのですがこのALT人材配置については区市町村の采配によるものとなるため、東京都の教育委員会に申し上げても仕方がない部分もあります。
が、そもそも専科教員の要件についての議論を行うべき時に来ているのではないかと、先日の小学校教育のあり方検討会でも提言が出されておりました。今日は他の多くの委員からも教員の業務超過や長時間労働についての言及がなされており、これ以上教員の方の負担を増やさないためにも制度改革も含めて新たな指導体系を構築していく必要もあるのではないかと改めて自分の中でも問題意識を強くしたところです。
そのほかにも、いじめ対策や体罰防止や生涯教育における放課後子ども教室、特別支援教育や発達障害教育、東京都の教育庁が行なっている取り組みは非常に多様で綿密です。だからこそ、熱意ある職員や教員の方々は使命感にかられ業務に邁進され、気づけば日々長時間忙殺されていくという流れがあるかと思いますが、自分が感じているのはどの事業においても、子供の自主的な取り組みや成長をさらに促すような施策を講じていく方に主眼を置いていただく必要性です。教師から生徒への一斉教育では立ち行かなくなって来ている教室運営を現場の教員の方の声から伺いました。生徒さん児童さんが、決められた答えを選ぶような指導だけではなく、答えのないところに自分で答えを生み出してくる力をつけてもらえるようにすることも大切です。
今日の質疑では都民ファーストからは入江さんからもグローバル人材育成について、またプログラミング教育について質問がありました。なりきよさんからは、教員の労働時間の適正な管理について、また管理職のマネジメント能力向上についてなどの質問がありました。
他の会派の委員の質問からも様々な気づきももらった一日でした。
また、写真をいただいたので少しだけ紹介をします。昨日は六本木ヒルズの森ビルに、都市整備局主催の東京都ジオラマ視察に行きました。東京都のジオラマの横に、上海とマンハッタンのものもあり、同じ縮尺で見るといかに東京都の面積が大きいか、また道は細く低層の建物も多いかがよくわかりました。
東京都の都市開発の方向性や可能性についても、引き続き会派全員で考えてゆきたいと思います。
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