エシカル消費普及に向けて、さらなる一歩を

予算特別委員会が始まっています。昨日の統括質疑に続き、明日は文教の部会長でもある米川都議が質疑に立つ予定です。米川都議の質疑の準備で、一緒に関わらせていただいたところがあります。代表質問でも都民ファーストの会から生活文化局に、消費生活基本計画にありますエシカル消費の普及啓発について伺いましたが、予算特別委員会ではそれをさらに一歩踏み込んで、エシカル消費に関わる東京都の様々な事業である食品ロス対策や災害備蓄リユースなどの環境分野を含めた各局の取り組みについて伺う予定です。


エシカル消費とは、倫理的消費ともいい、「大きな消費のあり方」を指し示す言葉です。

この中には大きく分けて三つの配慮が盛り込まれています。

環境への配慮、社会への配慮、地域への配慮、の三つです。

環境への配慮、とは、例えばグリーン購入や自然エネルギー利用、エコマーク付き製品購入などです。

社会への配慮、とは、児童労働や環境問題を引き起こしていない製品、フェアトレード製品、障害者の作った製品などががそれにあたります。

地域への配慮、とは、地産地消や応援消費のことで、2011年以降東日本大震災に関連して東日本を応援する消費の機運が高まっているのもこれにあたります。


すでに国内でも、鳥取では平成27年からエシカル消費普及啓発が進められ、徳島では平成29年2月に徳島エシカル宣言が実施されました。京都や名古屋、熊本でも進んでいる積極的な官民連携のエシカル消費普及啓発を、ぜひ東京都にはさらに一歩踏み込んで行っていただきたいと思うところです。


また、フェアトレード製品とは、商品の生産者がその商品の生産により生活を維持できるように適正な対価を支払い、生産者の生活向上、健康や安全な労働環境の維持、生産地の環境保全なども重視して貿易を行おう、という仕組みで作られる製品を指します。


例えば、児童労働の問題。日本でも人気の高いチョコレート、国内総消費量は年々上がり、今では259.243トンと欧米諸国と並ぶほどになっています。その原料となるカカオの生産について、世界のカカオ生産の7割を西アフリカのコートジボワールやガーナ、ナイジェリア、カメルーンが担っています。2011年にアジア経済研究所が発表した「児童労働根絶に向けた多面的アプローチ:中間報告」調査研究報告書によれば、国際熱帯農業研究所が実施した西アフリカのカカオせいさんにおける児童労働の調査で、コートジボワールだけでコートジボワールだけで28万人の子供が農園での労働に従事していました(この調査自体は2002年実施)。また、カカオ農園は小規模な家族経営が多く、農園経営をする家庭の子供(6−17歳)の3分の1は一度も学校に行ったことがないことや、カカオ農園で働く子供の64%が14歳以下であることも明らかになっています。さらには、約1万2千人の子供が農園経営者と血縁関係のない子供だったことから、子供の人身売買の可能性も示唆しています。


こうしたことから、様々な民間企業の中でも製品の生産過程にもっと目を向けようという機運が世界的にも高まり、世界各地でフェアトレード製品の生産・流通・販売が大きく道を開いてきたという経緯があります。世界の1000以上の都市が現在フェアトレードタウンの認証を受けてフェアトレード製品の消費普及に努めています。オリンピックパラリンピックが開かれたロンドン、リオも大会を契機にフェアトレードタウンに認証されました。日本国内では熊本市や、名古屋市もすでに認証を受けているいますが、大きな市場を持つ東京もぜひ、この問題に対して積極的な姿勢をとるべきであると考えています。


明日の質疑を受けて、自分も引き続き、訴えて参りたいと思います。


また、委員会準備の合間に、田の上都議からお声がけいただいて、子供の家庭的養護の推進に向けて、江戸川の滝沢やすこ元区議、熊本のこうのとりゆりかごで10年赤ちゃんを救い続けてこられた一般社団法人スタディライフ熊本の特別顧問の田尻由貴子さんをはじめ関係各所の皆様からお話を伺いました。



桐山都議も一緒です。この後、ご挨拶で龍円都議も合流しました。


国内でも0歳からの里親委託(妊娠中からの調整を含む)が進んでいる愛知方式のことや、ドイツでのマザーチャイルド母子寮のお話など、貴重なお話をたくさん伺いました。

福祉と、教育と、警察の連携も得ながら、各所で相談体制の強化を早々に進めてゆかなければなりません。


明日の予算特別委員会の後は、金曜16日に文教委員会で教育庁関連の質疑があります。またそちらの方のご報告も書かせていただきます。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

前東京都議会議員 斉藤れいなの公式ホームページです。