都内屈指のプログラミング先進校を視察しました
多摩市、というより東京都でもかなり有名だったのが愛和小学校であり、その一人一台タブレットありきのICT教育を行った松田校長は伝説であり、パイオニアであり、反逆者とも言えるほどの存在感をもっていました。
その松田校長が愛和を去り、多摩市の中ではお会いできることがなくなってしまったものの、今回、私の卒業校である桐朋学園の出身議員のネットワークから、現在松田校長が先進的なプログラミング教育を行われている小金井市の前原小学校に視察に行くことができますよと、お誘いがありました。もちろん、二つ返事で、参加させて頂きました!
松田校長の先進的な取り組みを視察したいと、今回伺ったのは桐朋議員ネットワークのみならず、金沢市教育委員会、静岡市教育委員会、また民間のict関連業者の方々など多種多様で、総勢20名近く。それほど、全国的にもこの小学校が注目を浴びているのだということがひしひしと伝わってまいりました。
桐朋ネットワーク三多摩エリアの議員は、多摩市議会議長の岩永議員をはじめ、府中の須山市議、小金井の沖浦市議、調布の宮本市議の4名です。各地元の様々な状況や諸課題を教えてくださる、貴重な先輩議員たちです。今回、狛江市の山田市議は所用があり欠席でした。
小学2年から5年までのプログラミング授業を視察しました。
正直、こんな授業をやっている都内小学校は他にあるのだろうか、と思ってしまうレベルです。松田校長は、「教師が一斉に、知っていることを生徒に教える。生徒がそれを受け入れる。」という形の教育を、今後の生徒さんたちの生きる力を育むための教育として決して十分なものではないと考えています。むしろ、「教師もわからない。教師にも答えが見えない。その前提で、模索し、悩み、試行錯誤し、生徒もそれぞれにぶつかり、迷い、苦しみ、答えを見つけ出して行く。」という仕組みこそが教育であると考えて、このプログラミング教育を行うにあたっても、教員の方々に完璧な指導法や答えをあらかじめ伝導することを重視せず、むしろ教員にも迷ってもらい、悩んでもらい、その姿を生徒にもさらけ出しつつ、共に答えを模索していこう、という新しい形の教育を実践しているのが前原小のプログラミング教育です。知識を競うわけでも、「これまでこれをやったことがあるか」と経験を争うわけでもありません。そこは、公園の砂場と同じだ、ということです。砂場で自由に体験し、創造し、失敗し、やり直し、模索する。それは、明らかに、これから変化と変貌を続けるであろう新たな時代において、子供達に求められる柔軟な思考力や対応力を育むことができる、新しい形の教育でした。
これは自分たちのロボットに、できるだけ多くの点を通過させていこうというゲームです。自分たちのロボットがどういう道を辿れば、より多くの点数を獲得しながら進んで行くことができるか、生徒さんたちそれぞれに知恵を巡らします。
例えば、こんな風に。作戦を立てます。ロボットの道筋を話し合い、検証して、実践し、失敗した際にはなぜ失敗したのか、改めて見直してまたプログラムを改善します。
最初から、答えが決まっているわけではありません。正解はひとつではありません。それが、このプログラミング教育に一貫する厳然たる事実のように感じられました。正解は、それを見つけた生徒さんの数だけ、そこに存在します。
全て視察が終了してから、議員団も一人一台のタブレットを渡されて、プログラミング(Ichigo Jam)を試してみました。私はあまりうまくできませんでした。
校長の言葉で印象的だったのは、「コンテンツベースではなく、コンピテンシーベースで進めて行くべき」というものでした。コンピテンシーとは、結果に結びつく個人の行動特性のことです。教科の科目ありきで、求められる知識量などをはかって行くコンテンツベースの教育は限界にきている。むしろ、その場で得られる知識や知見をどのように取り入れて、自らの判断や行動に生かして行くか、その柔軟性や瞬発力、発想力が試されていくのがこれからの時代の子供達に求められている重要なスキルなのではないか、という提言でした。
松田校長は、文科省の策定したプログラミング教育の手引きや、東京都教育委員会のプログラミング教育モデル校指定にも様々なご懸念をお持ちのようでした。東京都の事業は、事業として新しいからこそ、専門家の少ない東京都にとってはなかなか判断のつきにくい中で、あまり効果的なモデル事業が行われていないというのであれば、それは今後正して行く必要があると言えます。
今後、文教部会でもICTを活用した教育現場を視察する予定がありますが、よくよくその本質を見極めながら、しっかりと内外に向けてその意義や価値を問うて参りたいと思います。
本日は、久しぶりに多摩センター駅、聖蹟桜ヶ丘駅前で駅頭を行いました。
特に、地元ど真ん中の聖蹟桜ヶ丘駅前では、さまざまなご意見やご声援を賜りまして、心よりお声がけくださった皆様や都政リポート第3号を手に取ってくださったみなさま、また通り過ぎながら演説に耳を傾けてくださった皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
賛否両論、いただくことによって、ますます今後の都政の発展に皆様のお声を反映して参りたいと考えておりますので、どうぞ、駅などで斉藤をご覧になった場合には、気軽にお声がけを頂きたいと思います。
また、大変暑い日が続いています。皆様、適宜水分補給に努めてくださいますよう、お願い申し上げます。
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