青少年健全育成審議会の審議の流れについて

本日、毎月開催されております青少年健全育成審議会の第698回に出席をして参りました。今月は普段よりも一週間早い開催でした。


以前、傍聴に来られていた都民の方からも、ぜひこの審議会についてのブログを書いて欲しい、というようなご要望をいただいたこともありまして、内容の図書類などの個別具体名は情報公開日以前に記載することはできないですが、この審議会のありようについて、書ける範囲で書かせていただきたいと思います。



東京都の「不健全図書類等に関する東京都青少年の健全な育成に関する条例」に則って、この審議会では毎月事務局が120〜130冊の図書を購入し、この条例の掲げる「青少年の健全な育成を阻害するもの」と思わしき図書について、総勢20人の委員で一人ずつ意見を述べながらこの条例の指定図書として該当するか否か、を審議していきます。


この不健全と判断する基準となる細かな項目は条例にも記載がありますが、

「著しく性的感情を刺激」

「甚だしく残虐性を助長」

など、場合によっては個別の受け取り方によっては意見が割れてしまいそうなものもあり、審議は毎回時間をかけて、丁寧に一人一人の意見を聞いて慎重に進められていきます。


その審議において、非常に重要だと思われる判断基準の一つが、事前に行われている自主規制団体からの聞き取り結果です。


自主規制団体とは、出版関係の協会や書店組合、日本雑誌協会などのある意味専門的な知見を豊富に有する業界団体などであり、そちらからこの審議会に先立って、様々な意見を聴取し、その内容はこの審議会において非常に参考とされている部分が大きくあると感じます。


実際、その自主規制団体の中でも多くの団体が「この図書は指定図書に該当しない、なぜなら〜」という見解を残して来ている場合、審議会の中でも「なるほど、そういう捉え方もある」「なるほど、これは指定該当には当たらないのでは」と、個人的な感覚のみでは分かりづらい部分や自信の持てない部分を、支えていただくようなことがあります。委員たちの個別の意見に、この自主規制団体の聞き取り結果が参照として出てくることは多々あります。

一方で、やはりこの審議会はあくまでも独立した審議を行う会議体であり、自主規制団体の意見に賛同しかねる場合はその旨をはっきりと述べる委員もおります。


私も、自身がもともと、一つの表現を生業として来たこともあり、多様な形での表現の自由をあくまでも尊重しつつ、もちろん青少年の健全なる育成を推進してゆきたいという思いを持つ1委員として、しっかりと今後も審議を重ねて参りたいと思います。


人と違う意見を発してしまうことも多々ある自分ですが、会議や審議というものは様々な考え方を持つものがいてこそ、より深く本質的な、意義ある議論ができるものだと思います。

この審議会に限らずまた、検討委員会や審議会というものは、メンバーが誰か、という部分が非常に重要です。メンバーが、都民の代表と言えるような多様な構成を取れているかどうか。これは大変難しいことでもありますが、様々な審議会において、委員構成に現代社会の多様性が反映されることが的確な審議を確約していく最短の道であると思います。


この審議会ではまた、優良映画の推奨を重ねて審議事項としています。

今年度になってから、各映画配給会社から、活発にこの優良映画への推薦が行われるようになりました。こちらも、実に委員たちそれぞれの様々な意見が毎回発信され、大変真剣に審議が行われております。

この優良映画については、ぜひ、様々な映画の推薦を、東京都青少年健全育成審議会事務局までお送りいただきたいと思います。

基準としては、

青少年の社会に対する良識と倫理観を育てるもの

青少年が知識を身につけ、教養を深めていくことに役立つもの

青少年の人を慈しみ、大切にする心を育てるもの

青少年の美しいものに対する感性を磨き、育てるもの

青少年の思考力、批判力または観察力を養うもの

等があります。

こちらの審議には、時間もかかりますが、委員それぞれが映画の作られた経緯や原作背景まで調査しながら審議を行なっています。

本日も二本の映画が推奨認定をされました。配給会社の大小に関わらず、自薦他薦を問わず、ぜひ素晴らしい映画は推薦をいただきたいと思います。


この審議会について何かご質問などありましたら、ぜひお寄せくださいませ。



斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

前東京都議会議員 斉藤れいなの公式ホームページです。