いよいよ九月にオープンする東京都英語村に視察に伺いました
都民ファーストの会 文教部会のメンバーで、江東区青海にオープンする東京都英語村、Tokyo Global Gatewayに視察に伺いました。
中に入ってみるまで、まずここが英語村ということがちょっと外からではわからないようになっています。これは、どうやら地域の建物に対する広告規制があるということですが、お子さん連れのご家族などには少しわかりにくいのかな?というのが勿体無いなと感じました。
この日は教職員向けの公開体験会が開催されていましたので、各所に学校教職員の方々が。
この施設は東京都の公立のみならず、私立学校からも同じ条件でお申し込みいただけるほか、都外の学校などからも利用申し込みを受け付けているということです。現在申し込みがかなり秋以降詰まっている状況のようですが、ぜひ多摩地域の学校からもどんどん足を運んで欲しいと思いました。
小学校高学年(ゆくゆくは低学年・中学年向けのプログラムも検討されるそうです)から高校生まで、しかも英語の初級者から上級者まで、幅広くプログラムが対応できるように研究開発されています。写真のようなmission cardを受け取り、生徒さんたちはえいごをつかってpharmacyやclinic、hotelに向かい、そこで与えられた使命を果たすことができるか?!というゲームのような感覚で、これまでに培ってきた英語力を試すことができます。
ここでの行動は8人で1グループで、1グループにつき1人のagentがつきます。agentはネイティブスピーカーですが、何も北米圏出身のスピーカーばかりではないというところがまたリアルに感じました。見た所、ヨーロッパやアジアのagentもいらっしゃるようでした。
生徒さんたちは、たとえ文法の間違いがあってもここではそこまで指摘されることはありません。むしろ、意思疎通がどれほど測れるのか、そのチャレンジを行う場所であり、ここでは萎縮して言葉を話せなくなり、コミュニケーションが取れなくなるようなことよりも、「伝える」「理解する」「コミュニケーションをとりながら」「目的を果たす」ということが至上命題ですので、これまでに文法重視で受験英語に鍛えられてきた大人たちにとってはむしろ、戸惑うことも多いかもしれません。受験英語に10年ほどどっぷりと鍛えられた大人はむしろ、最初英語で話すということに非常に戸惑いを覚える人も多く、「間違っていないか」ということを気にするあまり、言葉を発することが遅れてしまったり、考えているうちに話題が次に移ってしまったりすることもあります。
何よりも、英語を学んでいる今の子供たちに、「英語は手段であり、目的ではない」という大前提を体感していただく施設が東京都にできたということは、改めて素晴らしいことだと感じました。
少し高度になってくると、こんなミッションもあるようです。
海外で、お医者さんに診てもらう、ということほど、避けたい事態はないと思いますが、万が一の時にはちゃんと自分の体調を伝えられるかどうかは試しておいても損にはならないですね。
さらに、英会話上級の高校生向けには、クリルという方式で考案された数々の上級プログラムが存在します。
クリル(CLIL)とは、Content and Language Integrated Learningの略で、科目内容と言語を統合した学習のことです。
言語そのものを学ぶというより、言語と内容を同時に学ぶような学習方法で、このプログラムの開発には例えば様々な企業や団体が連携しています。
これから東京都でも高校生以上を対象に力を入れていく金融教育に絡めて、こんな部屋もありました。
この部屋では端末からデータ検索をしながら、企業を分析して投資先を考える、というような学びやディスカッションを行うということです。金融情報メディア企業と連携して開発したこの授業の中で、生徒さんたちは例えば「Docomo、AU、Softbankの三社のうち、どこに投資するか。またそれはどうしてか。」というような課題を出され、多角的な企業評価のポイントを学びながら最終的に投資先を決定してプレゼンテーションを行います。
この辺りからはまるでキッザニアの様相も呈してきて、英語でリポーターやADとなってニュース番組を作るというスタジオ風の部屋もあったり、SDGsの目標を生活の中で達成するには?ということを議論するような部屋もありました。本当に、多様なプログラムが用意されています。
おそらく、学校単位で回ると1日では回りきれないのでは?と思います。
今回視察して、この施設とプログラムには大いなる可能性があると感じました。そのため、単発の体験を行う為だけに活用するのではなく、今後は継続的なプログラムや今検討されている宿泊施設も活用した「国内短期留学」の趣を有する複数日のプログラム実施、または実際に連携しているオーストラリアの公立校の生徒さんと交流できるようなプログラムなど、「数日間で盛り上がりが終わってしまわないような工夫」をしていただきたいと思いました。
英語を学ぶためのきっかけとなる動機作り、としては素晴らしいと感じました。
次はその動機をいかに継続させていくか、またそれにこの施設と事業をどう活用させていくか、という視点でも取り組んでいただきたいと思います。
多摩市稲城市の学校関係の皆様も、そして全国の教育関係の皆様も、ぜひTGGを大いに活用くださいませ。
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