多摩児童相談所に視察に伺いました
本日、多摩市の遠藤市議とともに、東京都の11の児童相談所のうちの一つである、多摩児童相談所に視察に伺いました。
私の事務所から歩いていけるほど近くにありますが、これまでに中に伺ったことはありませんでしたので、今日初めて内部に足を踏み入れさせていただきました。
多摩児童相談所は府中、調布、多摩、稲城の4市を担当しています。
その4市の人口は約71万3千人で、児童人口は約11万3千人です。
相談受理件数は右肩上がりで、平成28年度で1701件。
これに対して児童福祉担当は現在16名、同じく児童福祉相談担当の課長代理が3名ということでしたが、多摩児童相談所では児童福祉司が2名欠員中だということです。
また、私が先日の一般質問でも質問しました特別区や中核市の児相設置について、東京都は今年度からさらなる支援を行うということで人材の研修について、区からの受け入れを66名行うということでしたが、多摩児童相談所にも3名の研修人員の受け入れがあるそうです。
ですが、人材がしっかりと専門的な知見を培いながら、精神的なストレスを元に離職してしまうことがないようにケアしなければならない、現場の負担は相当なものがあるということがわかりました。
どこの業界でも大変耳にすることですが、人材不足は実に深刻です。
また、多摩児童相談所では機能分化を目指して、児童福祉担当の中に3名と非常勤の職員で構成する虐待対策班というのを設けているそうです。
が、この虐待対策班も完全なる機能分化をするにはまだ道のりは遠く、現時点では軽微なケースを初期調査ということで受け持つことが多く、重いケースについては地域担当の方に担当していただくということになっており、やはり全員野球での体制を取らざるを得ない、分化仕切るには至らない現状の事情があるのだということがよくわかりました。
親御さんからの相談を受けることと、場合によっては子供を親から引き離すという全く相反する機能を併せ持つ児童相談所の抱えているジレンマは計り知れないものがあります。
現状で欠員となっている職員については急ぎ東京都から派遣していただけるように、私からも訴えて参りたいと思います。
多摩児童相談所では、相談を受け付けつつ、親御さんやお子さん達との川遊びや、バーベキュー会も企画されて行われているようでした。
猛暑の中、食材の準備や料理の準備、ゲームの準備など、業務の中に多岐にわたる配慮が必要とされるものがあることを見させていただきました。
また、印象的だったのは一時保護所のお話です。
東京都の一時保護所の定員は約210名ほどですが、それに対して毎年新規で一時保護所を必要とする児童はその10倍の2000名以上いるとのこと。
これまでも増やしてきているという一時保護所ですが、それでもまだ足りないという現状を聞いて驚きました。
保護所を増やすばかりが解決策ではありませんが、一人一人の児童ができるだけ早く安全に家庭復帰ができることや、家庭的擁護の元に安心な暮らしを営むことができるように、引き続き微力ながら力を尽くしてまいりたいと思います。
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