不登校も引きこもりも1つの生きるかたちです

都内では今週から二学期が開始しているところも多いと思います。

二学期の初日、学校に行くのが憂鬱だ、行きたくない、そう思っているお子さんたちに、最近は公立図書館や子ども食堂などでも、「では、うちにいらっしゃい」と居場所を申し出てくれる例が出てきています。

私も学校に行くのが死を考えるほど辛いと言うお子さんたちには、ぜひまずは無理をしないで、自分の身を守るためにも「学校に行かないという選択」を選んでほしいと思います。ずっと、と言うわけではありません。それは一時的かもしれません。また、長期間にわたる可能性もなくはありません。どちらにせよ、「学校に行くぐらいなら、死を選ぼう」というのであれば、学校に行く以外の選択肢をとってほしいと思うのです。


東京都には、フリースクールという種別のサポート校が現在22校あり、また私立の通信制などの中学校・高等学校への入学希望者は今年度大変増加したということが先日の私立学校助成審議会でも話題に上がっていました。


平成28年に、学校以外の機関で受けた相談対応や指導が学校で出席として扱われることが認められる、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が新たに制定されました。これにより、フリースクールなどの民間機関に通うことで、学校にとっては不登校という状態でもしっかりと出席扱い→進学の希望を果たせる、という道がひらけたのです。


けれども、不登校の状態になっている生徒さんのうち、フリースクールなどの機関に通っているのはわずか2%であるという調査結果も出ています。

フリースクールが答えとも限りませんし、さらに言えば、そのあとの大学進学や専門学校進学が答えとも限らない、児童生徒さんにとって必要な「居場所」そして「学び」は一体どのようなものがあるのかと、今一度大人たちも考えなければならないと思います。私立の通信制で学びを深めたい生徒が急増している背景やニーズの実態を検証し、公立小中学校の中で不登校状態になっている生徒さんが通信制の教育を選択する場合には義務教育期間ということで行政が支援を行うべきでは、という議論も出ています。


本日は、都議会にひきこもり支援を行うKHJ全国ひきこもり家族会連合会の皆様が足を運んでくださいました。勉強会、意見交換会として、都議も参加しました。


引きこもりと不登校の関係も深いことから、教育機関で行なっている実態調査などの内容をしっかりと地域の中で支援サポートが継続して行くように関係機関に共有して行くことが必要なのではないか、等の議論がありました。


また、20代30代で社会に出た後に挫折を経験し、ひきこもり状態に入る人も多いということです。ひきこもり状態にある人たちは、自分の命を守るために引きこもっているのだ、という家族会の方のお話が印象的でした。


社会復帰、や就労支援、というと随分と形がしっかりと定められた、「あるべき形」のように感じられます。不登校児の学校復帰も同じです。児童生徒に加え、青年以上の引きこもりの人たちにとってのゴールは決して「企業での正社員雇用」や「実家を出て一人暮らし」などではないかもしれません。一人一人の想いがあり、一人一人の生きる形があることが認められる社会になることが大切です。女性活躍、という言葉にもうすら寒い気持ちを感じる女性が多いという話をよく聞きますが、言葉ばかりが先歩きをして本当の生きた人間の想いが捨て置かれてしまうことのないように、本当に必要な行政支援とは何かというのをしっかりと議論して行きたいと思います。


例えば、本日伺った話ですが、大田区では区役所内に当事者(元ひきこもり経験者)がスタッフとして働くカフェが立ち上がったそうです。同僚が皆同じ経験をしてきた仲間たち、ということで安心感もあり、地域で自分の居場所を持つきっかけにもなるということ。

ひきこもりは、本人だけでなく、家族も孤立を極めると言います。

どうしてだ、と自分を責めたり、恥じたり、家族を恨んだりすることでだんだんと社会から孤立せざるを得なくなるというものです。

ひきこもりも、不登校も、「恥ずかしい」と思わないで生きられるようにしなければなりません。いじめを受けたことがある児童生徒も同様です。


間違えたことがあると言っても、恥ずかしいなんていうことはありません。

暴力や中傷を受けたということは、恥ずかしいことではありません。

人と同じことができないということは、決して恥ずべきことでも何でもありません。

失敗や挫折を経験したということは、むしろ誇りに思っていいはずです。自分を責めることはありません。


人よりどれだけ時間がかかったとしても、比べる必要はありません。

「いつそこに行くか」ではなく、「どうやって行くか」の方が大事に感じられれば、回り道をしてしまったり、時には後退しているように感じられる自分のことも責めずに認めてあげられるかもしれません。


学校に行きたくない、死ぬことを考えるほど嫌だ、という場合は、一度休むことを考えてほしいと思います。切に思います。また、ご家族での都議会見学や議員活動見学はいつでも受け付けておりますので、saitoreinaownd@gmail.comまで、ご希望の場合はご連絡をください。定例議会の開会が近いですが、準備の合間になりますが、悩んでいる児童生徒さんからもしご希望があればできるだけ対応させていただきます。


次期も、私は所属委員会の希望を文教委員会で提出しました。

子どもたちの能力は大人には測り知れないものだと思います。

測り知れないのに、測ろうとしているところが少し齟齬が生じる所以か、とも感じます。

子どもたちのちからを潰したり、抑えこんだりすることなく、見つけて伸ばしてあげられるような教育が実現できるよう、今後も取り組んで参ります。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

前東京都議会議員 斉藤れいなの公式ホームページです。