都議会は閉会しましたが、ここからが重要です

本日で、平成31年度予算を決める第一回都議会定例会が閉会を致しました。

私たち無所属東京みらいは知事提案の全ての議案に賛成をする立場から、奥澤が会派を代表して討論に立ちました。

私たちが賛成した理由は細かい各事業の意義や説明に及んでしまうと10分間の討論では全て挙げることはできないですが、大きく三つの観点をお伝えしました。

ジェンダーや年齢、障害の有無にかかわらず、誰もが輝く「真のダイバーシティ」の実現

文化の力を最大限に引き出した、「世界一のクオリティオブライフ」の実現

一人一人の可能性を信じ「自分らしく幸せな人生を叶える教育」の実現

そして、児童虐待防止条例制定にあたり実効性ある多面的な施策の展開や、バリアフリー条例制定にあたりこれが起点となり障害者に加えシニアや子育て家族にとっても暮らしやすい環境を東京都で作り上げていく必要性を申し添えました。


また、本予算に賛成するにあたって、予算特別委員会討論でも本会議討論でも、予算編成プロセスのあり方について一言申し上げました。

新年度の予算を審議するにあたり、議会に提供される情報がやや限定的なものや、まだ新規事業の内容がしっかりと定まっていないもの、具体的な手法や政策効果なども提示されないものも散見されました。

新規事業を立ち上げるからには、本来であればその目的や期待される政策効果を明らかにし、具体的な事業内容を明示した上で審議にかけるべきと考えます。今後、2020年以降の予算編成にあたっては、新年度始まる政策評価の取り組みを反映させてプロセスを見直していただくよう要望いたしました。例えば体罰によらない子育ての周知啓発をするという目的がある場合、ではそのために周知啓発のポスターを印刷して配布するのがいいのか、チラシを製作するのがいいのか、SNSやホームページを活用するのがいいか、それとも子育て支援に関わる機関に携わる様々な人材に周知啓発の研修を行うのがいいのか。それぞれの効果を並べて議論し、最も効果的かつ適正なコストで行うことができる事業とすべきです。

特に教育施策などは、全く同じ条件で施策を受けた生徒と受けなかった生徒の教育効果を測らない限り、政策効果検証というのは難しいという点も事実です。けれども難しいからやらないまま、ただ漫然と予算をつけ続けるのは真のワイズスペンディングとは呼べないとも思います。アメリカの教育施策の効果検証はあえてモデル校の中で取り組みを行うグループとそうでないグループを作り、それぞれの学習効果などを時系列で長期間検証して行き児童生徒にその施策がどのように影響を与えたかを数値化して政策提言へとつなげていく、という手法も一つあります。同じ学校の中でグループを分けることで、環境の違い、経済的な状況、人種などの偏りがデータに与える影響を小さくするということです。

ただし、こと教育にかけては数値化できない部分も多々あります。非認知能力と言われる部分がこれにあたり、これらを数値化できないからといって教育の中から排除することもできません。全く数値だけに頼って施策を展開していくこともできないですが、せめて数値化できる部分は測るべきと考えます。

さて、政策のことから一旦話は逸れますが、今回の第一回定例会において、私は予算特別委員会に会派を代表して所属させていただきました。委員として知事や局長も出席する場で、全ての質疑に立ち合わせていただいたことは大変光栄であったと考えています。また、少数会派の委員ということで、理事会にもオブザーバー理事(本来発言権は持たず、という初年度の議会運営委員会理事会の進行役オブザーバー理事出席と同じ立ち位置です)として出席をさせていただいておりました。

都議会議員となってから理事会に出席をしたのは初年度の議会運営委員会理事会、そして本年2月からの厚生委員会理事会、そして今回の予算特別委員会理事会が三つ目となる機会でありました。

その流れにおいて、今回の予算特別委員会の議事進行においては戸惑ってしまう場面が多々あったというのが正直なところです。理事会と委員会の議事進行が時に足を止め、時に各会派の主張がぶつかり合うような状況があったことは既にみなさんもご存知の通りかと思います。ただ、主張がぶつかり合うことは他の場所でも普段から起きうることですが、今回の予算特別委員会では議事進行が果たして公平公正に行われていたか、という点に疑念が生じてしまう場面が幾度かあったと感じています。

主義主張が異なる場合でも、しっかりと協議を尽くす体制を堅持するために、都議会には長年の間培われ守られてきた知恵の集積のような慣例があるのだということを今回のことから学ばされました。

議会運営の正常化を願うからこそ、どちらか一方の情報を鵜呑みにし、発信することははばかられました。ただ、自分も1委員として感じたのは、やはり委員長には公平中立の立場でいて頂きたいと云うのが今後の議会で自分が願うことです。

私は予算特別委員会の交渉係であったこともありましたが、議会人としては大先輩である他会派の諸先輩がたが、本来主義主張の異なる会派の方も含めて、時に東京みらいの控室まで足を運び、様々なご教示をくださりました。これがなければ、今どこで何が起きているかがわからなかったと思います。心より感謝し、敬意を表したいと思います。

自分の力不足を悔いるばかりですが、予算は成立しましたけれどもこの後が大切だと考えます。予算に反対をした会派や委員が懸念としていることは何か。その懸念を払拭するために、今後どれだけ都議会が一丸となり、適切な予算執行に努めていけるのか。

一筋縄ではいかないことではありますが、自分なりにできることを精一杯尽くしてゆきたいと思う次第です。

今回の各質疑を行うにあたり、様々な方々からご意見を伺いました。

改めて、深く御礼を申し上げます。

議会は閉会しましたが、初めての文書質問の調整が残っており、明日も登庁予定です。