清瀬市の自立援助ホームへ。ジョブトレーナー常勤化を!

本日、社会福祉協議会の児童部会の黒田さんからご紹介いただいて、清瀬市の自立援助ホーム「あすなろ荘」に東京みらいの都議3名と、児童虐待防止の勉強会などを共に進めさせていただいている、品川区の横山区議と共に視察とヒアリングに伺いました。


自立援助ホームとは、児童養護施設を退園した15歳から19歳の児童が入所することができる、働きながら生活のことやお金の管理などの練習を重ねて、その後の自立を目指す場所です。

ただ、都内に18ヶ所ある自立援助ホームもその成り立ちは様々です。

元々は、施設出身者がシェアハウスのように自分たちで暮らし始めた暮らし始めたころに大人やボランティアが関わっていく、という形のホームがもっとも原初のものだそうですが、これを東京都が制度化した時から名前が自立援助ホームとなりました。


今回伺ったあすなろ荘は31年前に設立され、男女それぞれ3名ずつの定員のホームです。

が、設立当初の頃とは状況は変わり、施設出身者のみならず今では自宅からここに入るお子さんもなんと半数近くいるそうです。

15歳から19歳の青少年たちにとって、自宅で家族の支えがあったとしても仕事をして保険料や公共料金を支払い生活をしていくことは本当に大変なことです。

ホームに入所する青少年たちの中には、家族がいなかったり、家族の支えが全くなかったりすることも稀ではないため、施設の職員たちには彼らの生活を見守り相談に乗るという重要な役割があります。けれども、相手はすでに社会で働く1社会人でもある、ということから、決して何か頭ごなしに指導することや管理することはしない、とあすなろ荘の管理者である恒松さんは教えてくださいました。ホームは失敗を経験することもできる場所、ということで、辛抱強く大きな懐で彼らを見守り続けつつ、必要な場合は適切な助け、専門家へ繋いでゆくということもあります。


また、家族の代わりというわけではないですが、仕事場となる企業や店舗にはホームのジョブトレーナーが身元の保証となる説明やご挨拶に伺うこともあるということで、このジョブトレーナーの果たす役割は大きいです。職場との窓口となることに加え、ホームを卒所、退所した青年たちの相談窓口ともなる重要な存在です。


このジョブトレーナーについては東京都から補助が出ています。この補助は本当に素晴らしいことですが、現在は週に2、3日、非常勤配置という形であり、例えばホームを退所した青年たちの3分の1が様々な形でホームに連絡や相談をしてきたり、つながりを持ち続けているということから考えると、ぜひジョブトレーナーの常勤配置を実現できるようにしていきたいと思います。


まだまだ学ばなければならないこと、体験するであろう失敗や人生の浮き沈みというのを家族の支えなしに乗り越えていくというのは並大抵のことではないと推測します。

ホームでの生活についてお話を伺っていて、例えば青少年ならではの性に関する悩み事などにも、見える場所に情報をそっと掲示しておく、など個人個人に配慮しながら伝えるようにしている、というところからも、ホームの担う多大かつ多様な自立援助の形が垣間見えました。


また、昨年4月から、厚労省から都道府県に「22歳までの就学者も自立援助ホームの入所対象者とすること」として通知があり実施が始まっているところですが、これにも当面は現場では困惑と課題もあるということです。就学者と就労者の生活の違い、経済状況や人間関係の違いからくる齟齬を防ぐためにも、今後は就学者専用の自立援助ホームを検討する必要がありそうです。


清瀬市ではちなみに、そもそも将来的に自立援助ホームに入所するかもしれない青少年たちが、今幼児や小学生である間にできることをやらねばならない、とスクールソーシャルワーカーが学校で見つけた課題のある児童生徒を無料学習塾や子ども食堂につなげていったという、ここ最近の頑張りも非常に有益であったようです。そもそも、児相が持ちえない詳細の児童生徒の状況をしっかり把握しているのは学校、そして子ども家庭支援センターであり、今後は早くからの不登校支援を推進する福生市の例も学びつつ児相のあり方、東京都のなすべきことと市区町村に必要なものを精査してゆきたいと思います。


お話を聞かせてくださった恒松さん、ありがとうございました。


斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

前東京都議会議員 斉藤れいなの公式ホームページです。