リニューアルした東京都現代美術館。教育普及プログラムのポテンシャルはより周知を期待したい。

およそ3年に渡る休館を経てリニューアル工事が終了し、さらにパワーアップした東京都現代美術館に視察に伺いました。

エレベーター増設やバリアフリー推進、太陽光パネル設置、などに加えて、想像以上に地域に開かれた、そして子供連れなどの親子のノンチケットホルダーにも足を運んでもらえるような工夫がいたるところになされていたのが印象的でした。


館内では企画展の方にお邪魔しました。

企画展は3階と1階にそれぞれ一部屋ずつ、写真撮影OKの場所があります。そちらで撮影しました。現在行われているのは「百年の編み手たち」という企画展です。1910年代から現在までの日本の美術を編集的な視点で新旧の表現を捉えて再考する、現代美術館のコレクションを核とした企画展で、本日は大変な大雨にも関わらず、館内には外国人観光客も含め多数の来場者が訪れていました。

模写や写真撮影について、海外の美術館のように国内でもさらに許容される空気が広がってゆくといいなと思います。作者や権利者の許可を得られているものについては撮影をどうぞ、というのはとてもいい風潮であると思いました。


欲を言えば、海外の観光客向けに、音声でそれぞれの作品の背景説明などがあるとさらに丁寧かつ親切かな?と感じました。

1910年代の日本人の「千本針」を道端で針を渡しながら作成をしている絵画がありました。これが一体どんな場面で、何をしているところなのかは海外の方にはなかなかタイトルだけでは分かりかねるところもあるかもしれません。


ですが、総じて館内のその他のサイン表示、案内や施設設備は素晴らしいものでした。



こちらは図書室の隣に設けられた、こどもとしょしつ。


アートをそのまま吸収してくれる子どもたちにぜひ手にとってみてほしい、現代美術館ならではの蔵書がどなたでもどうぞと置かれています。図書室も、どなたでも入ることができ、閲覧可能です。


また、現代美術館は教育普及プログラムを行なっています。

学校向けにプログラムを実施したり、館内でワークショップやレクチャーなども行なっています。

その持てる財産を最大限に子どもたちや都民に活用していただけるように今後ともぜひ様々なプログラムを実践していっていただきたいと思います。



こちらは、地下一階のレストランです。

ファミリー層、お子さんづれが木場公園で遊んだ後などに、立ち寄って休憩してお食事することができるようにとスロープで降りてこられるようにも設計されていますが、何よりそのレストランの雰囲気の良さとメニューの可愛らしさ(塗り絵ができるようになっています)、またのちに私たちも終了後にここでランチをしましたが、美味しい人気店の味を食べさせていただけることに感激してしまいました。


ここだけを目的に、近所から来ていただける方々もいらっしゃるかもしれません。

そしてそんな方にも、美術館ならではのアートを楽しめるような仕掛けもそこかしこに散りばめられています。


このレストランは、1日来館者が数千人、という時にはむしろいっぱいで入れなくなるのでは、、という杞憂さえしてしまいました。


そんな場合は、2階にこれまた素晴らしくおしゃれなカフェがあり、天気がいい時には持ち出してお庭で座って食べられるスペースもありました。ご安心ください!


美術や芸術に触れる機会が日常の中で、特に子どもたちや忙しく働く大人たちから失われていってしまうのはとても勿体無いことであると感じます。

過去に森ビルが発表した「国際都市アート意識調査~東京・NY・ロンドン・パリ・上海~」というものがあります。5都市の18歳以上の学生・社会人を含めた男女全1,000名強に対しインターネットで実施されたこの調査によると、「年に1回以上美術館に行く人の割合」は、75.7%であっさり東京は最下位。

頻度も1.9回/年と最下位。


美術鑑賞を愛する国民性は有していながら、ここ最近では忙しさのあまり「何かイベントごとでないと」(特別な企画展がないと)足を向けない、という傾向もあるようです。


文化体験を、イベント単発で終わらせず、日常に組み込んで行かんとする東京都現代美術館の取り組みを、私たち東京みらいでもぜひ後押しして参りたいと思います。



ちなみに森澤さんが頼んだのはキッズプレートです。十分これでも足りる!ということを証明してくれました。レストラン運営事業者は数十社の中からコンペで選定されただけあり、都内でも各地に有名な人気店を構えておられるお店を持っているようです。味もサービスも素晴らしいものでした。ぜひ、気軽にお立ち寄りください。


無所属東京みらいでは、東京都の様々な施設をバリアフリーや事業評価、また地域貢献の観点から定期的に視察に伺って参ります。都民の皆様からの、「この都立施設を見にいってきたほしい!」というお声もぜひお待ちしております。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

前東京都議会議員 斉藤れいなの公式ホームページです。