高齢者施設で音楽ワークショップを!東京文化会館の事業検証結果が公開されました
東京文化会館は様々な主催事業を行なっていますが、中でも注目をしているのは子ども向け・教職員向けの事業に加え、高齢者施設や障害者施設で行われる音楽ワークショップです。
高齢者や障害者が主体になって創造的活動を行う場を作る、というレガシーを目指して創造性や協調性、参加性を推進するというものです。
この事業について、同じ会派の森澤都議の文書質問でも伺っているところですが、平成30年度のワークショップの検証結果をまとめたものが公開されました!
少し今は探しにくい場所にあるので、今後見やすい場所に表示していただいて多くの施設関係者の方に注目いただきたい事業です。
面白いのは、即興的な音楽作りワークショップを採択しているところ。
音楽家と参加者が対等な関係性の中で、音楽をコミュニケーションや自己表現のための方法論と位置づけ、認知症の方も言語などによる情報伝達に頼らず発信・受信ができるというものです。
これは「音楽のレッスン」「音楽の授業」ではないので、先生と生徒、という関係で行われるものではありません。どちらにも優位性も正当性もなく、そこは自由で包括的な空間です。
誰かに教えられるというものではなく、お絵かきや落書きのような音楽の時間。
複数のレイヤーを許容することに加え、沈黙を恐れない。
そして、攻撃的な音を恐れない(ボブマーリーの言葉、が引用されていました)。
これを実践していかれた高齢者の方達は、回を重ねるごとにまるで音楽で会話をするように自然にアンサンブルを生んでいった、ということです。
他者から与えられたゴールではなく、個々に違う目的を選択して追求することが許容されている空間。そこでは失敗や間違いというものが存在しません。
そして、言葉を出しにくい場合でも、音を鳴らすことでお互いに伝え合うことができる、そしてそれを楽しむ時間を持つことができる、という充足感や自信を持つことにもつながります。
やがては自由な探索と他者の表現の受容が、創造の意欲向上や他者への共感へとつながっていくというもので、これはぜひこの検証結果を広く周知し、共有して行っていただきたいと思います。
高齢者や障害者の個の自立、個の尊厳の成立に有効とされるこの音楽ワークショップが、さらに多くの場所に広がってゆくように自分も働きかけてゆきたいと思います。
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