官民連携のエネルギー地域自給の取り組みを視察に、小田原市へいきました
真夏の暑さが連日続いています。熱中症などにはお気をつけください!
今週水曜日、小田原市に視察に行ってきました。
私の議員になる前からの長年お世話になった仕事関係者のご紹介で、私は小田原市に出会いました。
一昨年は、小田原市で開催された自然エネルギーを応援するライブ「LIVE ENERGY」にも参加させて頂きました。
ようやく、念願叶っての、行政視察でした。
この視察を調整し、アレンジしてくださったのはエネルギーからのはエネルギーから材を考える経営者ネットワーク会議理事・事務局長の小山田 大和さん。
正式に都議会議会局とやりとりしてくださったのは小田原市の環境部エネルギー政策推進課の遠藤課長ですが、この遠藤課長と民間のプレイヤーで小山田さん双方のご尽力によって、大変中身の濃い視察を行わせていただくことができました。
小山田さんは市内の休耕地、つまり耕作することを放棄されてまま使われていない農地を活用して、日本全国ではじめて「米も作るし、電気も作る」ソーラーシェアリングを実践されています。
農業振興、少なくなっている後継者への事業承継についても考え、農地の上に発電設備を設けて、そこでお米を育てつつ、太陽光発電で発電した電力を売電してそこからも収入を得るというスキームを構築されました。農家の収入が大変厳しいものがある昨今、この売電収入があるということは若い世代も農業に呼び込むことができる可能性があると熱く語られます。
お米も育ちますが、小山田さんはさらに休耕地=おひるねしていた畑、と捉えて、「おひるねみかんプロジェクト」も立ち上げています。
おひるねみかんは神奈川県知事から表彰もされているようです。
ソーラーシェアリングは、小泉元総理も視察に来られたということです。
日本だけではなく世界的に、SDGsやRE100、脱炭素社会ということが叫ばれており、化石燃料に依存しないエネルギー活用の転換が必要であると言われています。
それを自らが、実践者となって、実際に地域の理解をいただきながら、汗をかいて地域の中で電力作りと地域振興を進めるというのは、なかなかできることではありません。
今後、日本では大規模な太陽光発電事業の展開は難しいと言われています。そうなると必要になってくるのはエネルギーの分散化。地域の中でのエネルギーの自給です。
城南信用金庫吉原顧問によると、日本の耕作地全てにソーラーシェアリングを展開した場合、その発電量は原発1840基分に相当するということです。
ちなみに、少し遮光されることから、農家の方から当初やや心配されたことがあったようですが、実際にソーラーシェアリングの農地でもなんの遜色もなく、しっかりとお米が育つということです。
こちらは、小田原市立足柄小学校の屋上にて。
熱心にご説明くださっているのが、かれこれ7年エネルギー政策課にいらっしゃるという遠藤課長です。視察した議員たちからどんな質問が出ても、全て詳しくお答えくださっていました。
小田原市の官民連携の取り組みにおいて、官の役割は至って控えめです。
この学校の屋上では現在「先進技術を取り入れたモデルプロジェクト」を実施中で、エネルギー事業者と連携して蓄電池の遠隔制御や災害時の電力供給、エネルギーマネジメントの見える化などの事業を行っています。
これは公募型プロポーザル方式で事業者を決定しています。
小田原市は出資をしたり特命随意契約で相手を決めてやりとりをするわけではなく、ただ「調整役」として行政財産の使用許可を出したり、また例えば小学校を管轄する教育部局との調整を行うことなどを進めたそうです。
太陽光パネルと一緒に蓄電池が設置されていることで、ばらつきがちな電力需要を平たくなめすことができます。電力需要が最も高いピーク時に蓄電池から放電するからです。
太陽光は日中と夜間や天気などにより、変動性が高いエネルギーです。
だからこそ、蓄電池があることで安定供給することが可能となりますし、非常時には蓄電池に蓄えられた電力を活用することもできます。
都立高校などでも発電設備はありますが蓄電池はなかなか併設されていません。ぜひこのモデルプロジェクトの検証結果を共有させていただき、都でもその必要性を訴えていきたいです。
ちなみに小田原市では42の幼稚園・小学校中学校が地域電力から電力を受給しています。
そして、この屋上での太陽光パネル設置は11校にて実施中。素晴らしいですね。
最後に伺ったのは、ゼロエネルギービル、ZEBを新社屋として建てられたことや美味しいかまぼこで有名な、株式会社鈴廣の本社ビルです。
鈴木社長はエネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議の代表理事です。
生命をいただいて、生命をうつしかえることを生業にされている中で、また小田原市の海や土地を見る中で、全てはつながっているのだということを感じられ、エネルギーとは何か、地域の元気とは何か、ということを繰りかえし自ら問いかけてこられたということがお話からわかりました。
印象的だったのは、エネルギーは、それだけで存在して意味があるものというよりも、それを使って何かをするものだということを忘れてはいけないですね、というお言葉です。
小田原では小田原箱根エネルギーコンソーシアムという形で、エネルギーの地産地消の仕組みを構築されてきました。
地産はできても、地消が難しい、というお話に思わずうーん、と悩んでしまいました。これはそれぞれの地域で考えて行くことが必要です。
鈴廣本社は地中熱換気システムで、クーラーがついていないのに社内は涼しかったです!換気口からは風さえ吹き込んでいました。
また、熱交換やガス発電を行うコージェネレーションシステム、光ダクトによる自然採光も。体にも優しい空気が立ち込めていました。
こちらは自然採光。明るいです。
通気口からは涼しい風が入ってきます。
また、地中熱よりも地下水の熱交換の効果がかなり高いのですよ、と教えていただきました。地下水の温度は一年中ほぼ一定だそうで、夏は涼しく、冬は暖かく変えてくれる源ですと。これは気づきでした。
エネルギーと、地域振興、また消費や生活はつながっているということを実感した一日でした。
東京みらいの都議に加え、千葉県松戸市の市議会議員のDELIさん、原さんにご参加いただきました。皆様ありがとうございました。
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