コロナ禍で児童の措置件数が減っている?施設長たちと意見交換を行わせていただきました
先日の報告になります。都議会にて立憲会派の阿部都議、竹井都議や、今月総支部長に選任された市井紗耶香さんも同席して頂き、自分も前期の任期中にお世話になりました都内の社会的養護の最前線の皆様との意見交換を行いました。
東京都は特に、全国に先駆けて区児相設置が続々と始まっているという特別な事情があり社会的養護体制が過渡期にあるということを伺いました。
本件については区市町村議員の方々からのお問い合わせも多く、今週渋谷区の方でも意見交換を行う予定です。
社会的養護の現場の方々から学ぶことはたくさんあります。
例えば東京都の社会的養護体制が、23区については「区が児相を設置する」「児相で保護する児童のための、一時保護所の設置や、児童養護施設の誘致にも取り掛かる区と、それを予定していない区がある」「区内に施設があるかどうかで、児童が保護され送られる場所が遠方になったりそれまでの学校に通えなくなる所もある」などなど、区それぞれの事情により大変ばらつきが生じ始めているということ。
これまでは東京都では児童相談所の設置、また一時保護所の設置、そして児童養護施設(2歳以下は乳児院)への措置決定なども東京都が責任を持ち管轄として取り行ってきました。
それが児童福祉法の法改正により、特別区でも児相が設置できるとなったことで、都内の23区の方でそれぞれに検討や組織改正・予算確保を進めています。(現在都内では先行3区が児相を設置、その他検討準備中の区が多数)
権限と予算の委譲を進めていますが、と同時に「東京都の役割」も今後変化していくと思われます。これまでは都内11箇所に児相を設置、都が直接管轄していたものが、23区は区へ委譲しつつも、多摩地域を中心に今後東京都の児童相談所は再編を進めていくとされています。
東京都が区に予算と権限を委譲する際、基本的に東京都児相の行っている業務や基準に照らし合わせ人員や設備を検討していくとされています。つまり、東京都が基準になります。
一方で、都内でも予算が潤沢にあるところ、また想いある担当者のおられる地域では一時保護所が全て個室化されたり児童養護施設退所者支援として現金給付があるなど、手厚い支援を進めていますが、それができない地域ももちろんあるために、保育行政と同じく「地域のばらつき」がかなり大きくなっていってしまうのではと現場の皆様からは懸念されています。
保育も、社会的養護も、「地域の要請に柔軟に対応できるよう地方の自治権を拡大する」国の法律改正の目指している理念の部分は理解できるものでも、
実際に生じている地域間格差や現場の事務負担増などのお話を伺うと、例えばシステム管理を各区ごとでなく一元的に行えるような技術的支援など、必要なものがあるように思います。(小さなこと、と言われてしまうかもしれないですが、現場の皆様の事務負担の増加は大変深刻なものがあるようでした。)
また、この日伺ったお話の中で気になったのが、コロナ禍での子どもたちの一時保護は増えているものの、施設等への措置が大変数が減っているというご指摘でした。
施設から自宅に戻され、子どもたちが適切に養育されているのであれば問題はありませんが、コロナ禍でなぜ措置件数が減ったのか、東京に限らず全国的にこの実態と要因を調査していただきたいと感じました。
現在、国のコロナ禍の支援で例えば世帯で扶養する児童の数により支援金や給付金が変わるものもあり、この給付金などの影響がどのように児童たちを取り巻く環境に届いているのか、昨年の定額給付金をはじめとして国が行ってきた支援については是非その効果検証を図っていただきたいと感じています。
措置件数が低くなった=子どもたちが安全に適切に養育され過ごせている、とは限らないのかもしれない、ということを常に念頭におきつつ、国の中枢の制度を議論くださる皆様にはぜひ子どもたち一人一人の実際の現在の状況を知りつつ課題を払拭できるよう取り組んでいただきたいと思います。
引き続き、幅広くご意見をお待ちしております。
0コメント