名誉都民顕彰式、三多摩政策討論集会
午前中は都庁にて、東京都名誉都民顕彰式があり、都民ファーストの会からも政務の間を縫って多くの議員が参列しました。
女優の黒柳徹子さん、物理学者で元東京大学総長の有馬朗人さん、元スキー選手で国際オリンピック委員会名誉委員の猪谷千春さん、前衛芸術家の草間彌生さんの4人が名誉都民に選出されました。黒柳徹子さんは残念ながらご欠席されましたが、他の3名の方と、また教育や福祉など様々な部門での功労者も合わせて表彰が行われました。
草間彌生さんの謝辞が印象的でした。芸術活動や、ご自身の制作活動全てに、不安定で平和と言えない事象も日々起きている社会が変革しますようにという想いを込められているのだということが伝わってきました。
午後は武蔵小金井に移動し、連合三多摩ブロック地協政策・制度討論集会に参加させて頂きました。
連合の主催する勉強会やセミナーでは毎回テーマが設けられ、政策立案に直結する学びを見出すことができる貴重な講義が受けられますが、今回は特に「多摩の未来に夢を」ということで、第1分科会テーマが「超高齢社会を迎えた介護保険制度のあり方〜地域において安心して暮らせる社会をつくる〜」、第2分科会テーマが「真の地方創生とは〜地方経済の活性化と未来に夢のある地域社会のために〜」というどちらも捨てがたいテーマ設定でありました。悩んだ末、私は第1の方に参加しました。
こちらでは、2018年法改正に向けた介護保険制度の課題について、これまでの介護保険制度の形作られてきた背景や経緯なども踏まえて考察が紹介されました。
繰り返し強調されていたのは、これから日本が迎える超高齢化社会は過去に例がない類のものであるということ。つまり、過去の例や効果を参考にすることができません。また、90年代から高齢化と同時進行で少子化が進行し始めたという点も、介護保険制度や地域包括ケアシステムを考えていく上で非常に重要なポイントであるということです。それは、介護保険料を負担する40歳以上人口の減少という事態にも直結していくからです。
そもそも1965年には65歳以上1人に対して20〜64歳が9.1人で支えてきたのが、2012年には65歳以上1人に対して20〜64歳が2.4人になり、2040年には1.4人になると言われています。そのため、社会保障改革により担い手・支える側を少しでも増やす努力と、高齢者の方が長く活躍できる環境作りが急務です。
ですが、現代において家族形態は拡大家族から核家族へと変化したまま。
高齢者の単身世帯、もしくは高齢者夫婦のみ世帯は増す一方で、家族が担うことができなくなってきている福祉をこれからは新しい地域社会=コミュニティが支えとなり構築していくことが求められています。
例えば要介護となった場合に従来の「自宅か医療施設か」という二者択一だった選択肢も、今では「自宅で家族により、もしくは自宅で外部介護サービスにより、もしくはサービス付きのケア付き住宅で、もしくは施設、もしくは医療機関で」とその選択肢は多様化しています。都市部はとにかく施設新設や開設には大きな投資が必要です。多くの公費を投入して大掛かりな施設新設をするよりも、できる限り通所や在宅サービスを活用して地域福祉が実現できるように、地域包括ケアセンターが中心となって一人一人の状態や希望に合わせたサービス提供や情報共有を行なっていく、というのがこれからの東京が目指してゆく地域包括ケアの姿です。
そうなってくると今後の課題となるのが、地域包括ケアセンターがより増えつつある業務や機能を果たしてゆくための、人員や予算に関わる制度的制約を減らしてゆくことです。
また、センターの機能の中でも重要な高齢者の生活支援を手がけることになる生活支援コーディネーターの人材確保や専門性の向上をいかにして為してゆくか、という問題もあります。
まとめとして、そもそも介護保険制度は万能薬ではない、というくだりが印象的でした。
過去に例がない。過去に答えもない。走りながら制度を育てていかねばならない。そのためには、そのためには、制度改革と並行して、住民が参加して地域の福祉力を向上させていく、地域の助け合い活動を創出していくことが求められるというお話を聞いていて、ちょうど先週地元の地域ボランティア活動を行われている方たちの話を伺った内容とリンクいたしました。
多摩市は健幸まちづくり推進事業が行われ、市民と議会と行政が一体となって取り組みを行なっていますが、多摩市の高齢者の方は本当に元気な方も多いのです。高齢者と言われる年代の方達が主体となって、見守り事業や買い物弱者の方を支援する送迎ボランティア事業などを行なっておられます。諏訪・永山エリアでは孤食を続けている高齢者の方を地域の小学校給食に招き、児童と同じ給食を一緒に食べてもらう取り組みや、東寺方では小学校の休日の校庭を利用してスポーツ推進事業も行われるということです。どちらも10月に、私も視察に伺わせていただく予定ですが、まさに走りながら制度の不備を補っておられる方達がいらっしゃいます。
また、稲城市では介護支援ボランティア制度というものがあります。高齢者の社会参画を支援し、介護予防の効果を期待するというもので、この活動実績を評価した上でポイントを付与し、そのポイントを換金した交付金を交付する制度です。介護保険料が五千円から八千円に上がると言われる中、その補填とされるならば素晴らしい制度であり、同時に地域の力を上げて元気な高齢者を増やしていくことにつながります。
いくつも重大な気づきやヒント、問題意識をいただけた一日となりました。こうした各区市町村の秀逸な取り組みがより広がりをもち、臨界点限界点と言われるものを越えていける助けとなるように、自分も力を尽くして参ります。
本会議休会中ですが、明日から連日委員会が開かれることとなっています。また、文教委員会は十一月頭の事務事業質疑に向けての調査が始まっています。そちらの準備もしっかりと進めて参ります。
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