地域のしごとギャザリング2018に参加しました
しごとづくりはまちづくり!の呼び声のもと、都内で行われた地域のしごとギャザリング2018に伺ってきました。
誘ってくれたのは多摩の方ですが、参加者は全国津々浦々からいらっしゃった起業家の方、行政の方、研究者の方など様々。
北は東北南は九州まで、多様なバックグラウンドをもつ参加者が集っていましたが、地域のしごとづくりを実際に実践してきた方々からの成果報告や、それぞれのプロジェクトを推進する団体の代表たちが目指すこれからの「しごと」のあり方について、非常に考えさせられる濃い時間となりました。
しごとを作る、ということは、パートタイムなどで働きに出ることとはまた違う面白さや難しさ、そして意義があります。
ニーズ調査も基盤も全く未知数のところからのゼロからスタートするわけですので、その仕事はどちらかというと「これが好きで好きで仕方ない」「これについて考えているだけでワクワクする」というものが望ましいです。
思いというのは日々の生活の中で実はあちこちに散らばって隠れてしまっているもので、少しの力をかけることでその散らばっている思いを結合させて、一つの仕事を生み出すことができます。マッチングという言葉も当てはまるかもしれません。
仕事を作ると、圧倒的に変わるのがそれに関わることで自分自身のマインドが変わること。
消費に対する意識が変わり、商品に対する意識が変わり、買う、という行為も意識的に行うようになり、買ったものに対しても愛着を持つようになる。
専業消費者が、生産者になる、と、「私たちの月3万円ビジネス」choinaca代表の矢口真紀さんがおっしゃっていました。
月三万円、お給料を稼ぐのではなく、月三万円、売り上げをあげる。
大企業や大きなショッピングモールから供与される商品とはまた違う価値を持つ商品を、自らが生み出す。実践者として説明されていた方達はみなさん元は専業主婦さんであったりお子さんを持つお母さんであったり、お母さんであったり、研究者であったり様々でした。面白かったのは、曲げわっぱの弁当箱が好きすぎて、曲げわっぱ弁当やさんをスタートし、たくさん売れて疲れるようになってやがて「自分はお弁当に食べ物を詰めるのが好きなのだ」と、「詰める人」としてビジネスを始めたという実践者さんのお話です。「そんなのビジネスになる?」のはてなマークを、力強く吹き飛ばしてくれる実践談でした。
埼玉では行政連携ということで、草加市の産業振興課課長が登壇して「草加市民の市外から稼いでくるお金より、市外で消費してくるお金の方が多いんです!」という説明は、割とあちこちの市町村に当てはまりそうな現実です。
参加者に東北からの方が非常に多かったのは、切実な人口減、また子育て世代の流出があるのだというお話にもその理由が見えるように思いました。
都市にあるものー行政サービスや仕事や環境、を求めて人が地方から都市に移るのも事実ですが、
地方にあって、都市の中心にないものも、探せばたくさんあります。
シャッター街となってしまっている商店街を、do it ourselvesの考え方で、メンバーを集めてリノベーションを行い、新たなしごと創生の場所として生まれ変わらせたという話もありました。
ここにあるものを活用して、新しい価値を生み出して行く。
しごとづくり、の考え方にはそんな柱が一本、真ん中に通っているように感じました。
鶴岡ナリワイプロジェクトの「ナリワイ起業講座」ではナリワイ(自分の好きなこと、得意なことを活かして地域の課題を解決する小さなソーシャルビジネス)を実践する個人事業主たちが集い、お互いを助け合いながらナリワイの考えを地域に広げていこうとしています。
失敗はどんどんしていい。むしろしたほうがいい。
そして、形を変え、方法を変え、最善の方向へと向かって行く。
そんなお話を聞きながら、行政の支援は現時点では大きな企業や既存の業種形態に対するいわゆる「起業支援」というものになりがちですが、それこそ子育て中の方や介護離職中の方、フリーランスや個人事業主の多様な働き方が拡大していくこれからはもっと細やかな視点でしごとというものを捉えて行く必要があると感じました。
東北の復興にも関わる大きなヒントを頂いたようなイベントでした。
ぜひ、これからも追いかけていきたいと思います。
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