待機児童ゼロに向けて新たな局面へ

東京都が都内の待機児童数の確定値を発表しました。それによると、待機児童数が実に10年ぶりに5000人台まで減少しました。

前年より3172人少ない5414人と、都有地の活用などで保育所が増えたことが待機児童数減少に寄与していることがわかりました。詳しく内訳も見ていきます。

保育所等利用の申込者数が毎年1〜2%に当たる1万人〜2万人増加していることを踏まえると、今年度の待機児童数の大幅減少は非常に評価できると考えます。


都内の認可保育所の数は昨年より253増え、2811施設になりました。

認可の定員は2018年4月時点で約26万6千人と、この5年間で約4割増えています。

また、認可と認証や小規模保育なども含めた保育サービスを利用する児童は昨年より1万6059人増え、過去最高の29万3767人となりました。

今年度は待機児童ゼロに向けて計1576億円の関連予算が計上されており、都知事は平成32年度までに待機児童ゼロを達成することを目標としています。

今年明らかに潮目が変わったところがあり注目すべきは就学前児童数の推移です。

2015年から16年の1年間で6910人増えた就学前児童数ですが、2017年から18年の1年間では1647人増にとどまっています。就学前児童数の増加にはやや歯止めがかかっているのが現状です。

地域によっては、児童数が今後は減少に転じる局面も想定されており、地域の特性を踏まえて需給のバランスを考えた政策が必要になってくると都の担当者も説明しています。

例えば多摩市も今後認可保育所を新設するというよりも、企業内保育所や小規模保育を充実させていくことを重点的に進めてゆきたいというようなお話も関係各所から伺っています。

地域別に見てみます。

待機児童数が多い区市町村

1位・世田谷区 486人

2位・江戸川区 440人

3位・目黒区 330人

待機児童数の増加が大きい区市町村(前年度からの増加数)

1位・国分寺市 110人(大きなマンションが建ったことなどが理由)

2位・墨田区 41人

3位・練馬区 31人

待機児童数の減少が大きい区市町村

1位・世田谷区 -375人

2位・大田区 -322人

3位・目黒区 -287人

待機児童ゼロの区市町村 14自治体(千代田、杉並、豊島、福生、檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈村、青ヶ島村、小笠原村)

待機児童がいる区市町村の中で、待機児童数が減った自治体 34自治体(中央、港、新宿、文京、台東、江東、品川、目黒、大田、世田谷、渋谷、中野、北、荒川、板橋、足立、葛飾、八王子、立川、武蔵野、三鷹、府中、調布、町田、小金井、日野、東村山、国立、狛江、東久留米、稲城、あきる野、西東京、瑞穂町)

待機児童がいる区市町村の中で、待機児童数が増加した自治体 13自治体(墨田、練馬、江戸川、青梅、昭島、小平、国分寺、福生、東大和、清瀬、武蔵村山、羽村、日の出町)

待機児童がいる区市町村の中で、待機児童数が横ばいの自治体 1自治体(多摩)


また、年齢構成で見てみると、待機児童は圧倒的に0歳〜2歳が多いため、低年齢児向けの定員枠の拡充や、高年齢児が定員に満たない場合弾力的な運営を行っていただくために必要な支援を行うなど、保育所そのものを増設することだけではなく取れる対策を講じていく必要があります。


先週今週と毎日都議会にて毎日様々な団体からのヒアリングを行なっておりますが、例えば先週、都内に610ある認証保育所の団体である認証保育所協会の方々からは、待機児童対策は年齢構成に対応した柔軟な運営を行うことで推進してゆくべきだとして、各年齢ごとのクラス定員設定を廃止して2歳から5歳については合計でのクラス定員の設定をするべきだという要望もいただきました。現場の運営の工夫によって、待機児童解消に尽くしていただけるという実情は都にも伝えてゆくべきであると考えております。


引き続き、多様な保育の推進がはかれるように、取り組んでまいります。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

前東京都議会議員 斉藤れいなの公式ホームページです。